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八月の黒川と荘内大祭黒川能奉納


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このページは、
今回の滞在中にお世話になった方々・出会った動植物との思い出ページです。

このページの写真は、小さい写真を除いてすべてニコンD700で撮影。
ページ下の方の小さい写真は、リコー GR Degitalです。


黒川に行くたびに
お世話になっているせつさん。

この日も色々と美味しいものを
ご馳走になり、
せつさんと、ご主人の権作さんと、
四方山話。

せつさんも権作さんも、
筆者の祖父母よりずっとお若い
年齢だけど、
でもなんとなく、お二人といると、
まるで郷里のおじいちゃん、
おばあちゃんのところに
帰ってきたような気分になります。

権作さんは、あと5年ほどで
当屋さんとなります。

お二人とも元気で
当屋を迎えてもらいたいです。




話が一ヶ月ほど過去に飛びますが…



7月、水焔の能の前日、せつさんと注連寺(↑)まで遠足。
前からこの寺と七五三掛という地名に興味があったのです。

せつさんは筆者の運転を恐がらない貴重な存在。
せつさんとのデートは筆者の運転練習にもなっています。




8月20日には、2011年の王祇祭で筆耕者として活躍しておられた三浦さんが、
せつさんと筆者を羽黒に案内してくれました。

せつさん & 権作さんご夫婦と三浦さんは、
ご親戚のようなお付き合い。

三浦さんは夏の間、羽黒で筆を持つお仕事をされています。

その三浦さんによれば、この注連寺や七五三掛地区は、
これらの文字が意味する通り、
聖なる山の「注連縄(七五三縄)」であることを意味しているそうな。

つまりここが、聖なる地と、人間の住む世俗の地の境界線。


…さて、8月20日の朝、筆者を迎に来てくれたせつさんと三浦さんは、
インド綿のワンピースにサンダルをはいた筆者を見て唖然。

「山に登るのにその格好か?」と。

羽黒に行くことはもちろん理解していて、楽しみにしていたけれど、
あの階段を登ることは想定外。

こ、この暑さの中、あの階段を登るんですか〜?

イヤだ〜!暑すぎる〜!(←心の中の声)



でも、考えてみたら、4月から毎週やっていた山登りを、
8月に入ってからやっていなかったので、
「いい運動になるかも!」と、あっさり考えを改める筆者。
サンダルで階段を2000段以上登るのはきつかったけれど、
杉の巨木の良い香りを吸い込みながらのハイキング。




三浦さんは、東京者はひ弱であると思っていたようです。
でもここ数ヶ月で、ちょっとした登山ならこなせるようになった筆者は、
三浦さんよりかなり早く、頂上に到着。

インド綿の服は、上からシャワーを浴びたようになっていましたが、
この素材の有難いことは、
軽くてサラッとしていて、すぐに乾くこと。

東京者に遅れを取るとは予想もしていなかったらしい三浦さんは、
「負けた!」と悔しそう。

筆者は勝負をしたつもりは全くありません。
ただ、山は自分のペースで登らないと疲れるので…ごめんなさい。








せつさんは、車で一足早く頂上へ。

上は、出羽三山神社の鐘の前に立つ、せつさんと三浦さん。

楽しい羽黒遠足の一日でした。



* * *


同じく2011年の当屋でお知り合いになった
秋山嵩義氏とも再会。

嵩義さんは今年の王祇祭でも世帯持ちさんでした。
そして、今年からはご自身が「巡りの大人衆」の一員に。

実は筆者、器用に細かいものをお作りになる嵩義さんに、
ある小さなものの作成を願いしたのです。

その件で、今回はお邪魔させて頂きました。







嵩義さんと奥様の由喜さん。
笛役者さんの秋山篤司さんのご両親です。

美味しい枝豆をご馳走になりつつ、
本題の依頼物の話に。

すると嵩義さんはおもむろに「設計図」を。
既にこんなに考えていて下さったとは!

筆者が思っていた以上に、便利で、見た目も素敵なものになりそう!

サイズなどを話し合った後、
嵩義さんがお造りになった神社の話に。

え?…神社?








上の山の上の方にある神社。
神道の方々にも亡くなった家族を偲ぶ場を、
ということで造られたそうです。

見かけはこじんまりとしているけれど、
中に入ってみると、広がりを感じる空間。

ふんだんに木が使われていて、すがすがしい雰囲気。

神社建築というのは、
特殊な大工さんしかしないと思っていたので、
尚更びっくりしました。








大きなものも小さなものも、
自由自在にお造りになる大工さん。

筆者にはいくつか憧れの職業があるけれど、
大工さんはそのトップ3に入る職業。

嵩義さんの技能が羨ましい!




数日後、由喜さんのご実家へ。
だだちゃ豆のハイ・シーズンで、大忙し。

右の逆さづりの枝豆たちは、来年の種になるそうです。




由喜さんの弟さんは、お若い頃(今も?)、絵を描かれていたそうで…



黒川能を題材にした大きな絵を
見せて頂きました。

黒川能の役者さんや地元の人たちが、
実際にどのくらい
お能から刺激を受けているのかは
分かりませんが
(かなり個人差がありそう?)、
黒川能は、明らかに、
多くの人を魅了し、さまざまな形で
インスピレーションを与えて
いるのだと思います。

筆者のような人間にも、
黒川は、色々と考える材料を
与えてくれます。

何らかの形でそれらを昇華し、
まとめたいと思っています。
筆者にとって、
それがこの夏のメインの仕事。




弟さん宅に伺う前、嵩義さんは筆者が依頼しているものの
ある部分を早速形にして見せて下さいました。

思わず感嘆の声をあげてしまうくらい、素敵な出来ばえ!
太すぎず細すぎない、中庸の美、
有機的な美しい木目。
筆者が思っていた以上の素晴らしさです!

このクソ暑い中(こういう汚い言葉を使いたくなるくらいの猛暑の中!)、
作って下さったんだと思うと、
それだけで涙が出そうなくらい嬉しい!

嵩義さん、有難う!

この作品をそばに置くことで、
筆者は東京にいるときでも、
毎日黒川のこと、2011年・2012年の王祇祭のことを思い出すでしょう。

残りの部分の作成は、是非、新嘗祭の頃にお願いいたします!
そして作成風景を撮影させて下さいね!








お盆のお休みでお母さんのご実家に行っていた双子ちゃん達にも、
チラッと会うことが出来ました。

スクスクと大きくなっているようです。

一生懸命、無心で眠っている姿も可愛い。



右は、黒川に到着して
初めて撮った写真のうちの一枚。

拡大しないと分かりづらいけれど、
このプチプチと飛び出している
白いものは、
お米の花ですよね…?

数年前に、権作さんが写真に撮って
送ってくれたことがあります。

でも実物を見たのは初めて!

今年の4月に
山登りをするようになって以来、
植物や小動物(昆虫なども)を
撮影するために、
緑のあるところでは、
注意深く下を向いて歩く筆者。

この時も、ただポーッと歩いていたら
気がつかなかったかも。




以下の小さな写真たちは、
リコーの小さなデジタルカメラで撮りました。
黒川の、夏の動植物たちです。



百日草という、昔からある花だと、
通りかかりに出会ったおばあちゃんが
教えてくれました。
何の花だろう?
ジャスミンのような、良い香り。
王祇会館の近くにて。
初めて見た、縦長の巻貝を背負った
カタツムリ!ヒョエ〜〜!
これが黒川の普通のカタツムリ?
縦長巻貝カタツムリ?
左のようなカタツムリが普通なのかと
嵩義さんに伺うと、庭から、普通の
カタツムリを連れて来てくれました。
この子は確かに普通です!
セミの抜け殻。 地面で休む(?)セミ。
春日神社にいた小さな白蛙。 春日神社の階段脇の青蛙。
大きな目が可愛いカエル。 左の写真と同じカエルを正面から。
大きくなりつつある庄内柿。 大きくなりつつあるイチヂク。



春日神社で出会ったまどろみ蛙。


* * *


8月20日は春日神社における「風祭」の日で、
太夫さんはそちらに出席されるため、修行は19日でおしまいとなりました。

風祭の翌日、最後の墓参にともう一度黒川を訪れると、
風による被害から農作物が守られるように、
田には御幣が立てられていました。

伊勢神宮でも風祭というのがあって、別宮の風宮で執り行われ、
そこでは蓑や笠が登場します。







昔の日本の習俗では、陰陽五行の理にしたがって、
風(木気)を剋するには金気ということで、
鎌などを軒先にくくりつける家も多かったと聞きます。

もしかして、黒川でも、昔はこうした御幣の代わりに
鎌を立てていたのでは?と思ったりしました。

今年は、今のところ、東北での台風被害は聞きませんが、
今後も、少なくとも稲刈が無事に終了するまで、台風が来ませんように。


* * *


今回の滞在の主目的は、
謡 & 舞の勉強と、下座の役者さんによるカラミの見学。

謡と舞の勉強は、自らを反省する良い機会にもなりました。

ただ立って/座っているだけでも汗が流れる猛暑の中、
毎日出来の悪い生徒に付き合う羽目になってしまった太夫さんには
とても申し訳ない思いだけれど、
でも、簡単には言葉で表せないくらい、感謝しています。

8日間、太夫さんの生演奏に合わせて練習させて頂いたせいか、
今も耳の奥に、太夫さんの、「ヒャーラーリホーホーヒー」が響いています。

数百年の間、黒川の人たちが大切に受け継いできた伝統を、
他所者の身でありながら学ばせてもらうという、貴重な体験。
恐れ多く、有難い気持ちでした。

太夫さん、どうも有難うございました!
どうかこれに懲りず、またの機会を頂けますよう、
よろしくお願いいたします!

滞在中お世話になった皆さん、有難うございました!

今度お会いするのは、冬を目前に控えた11月後半。
きっとその頃には、この夏の暑さも、
夢のように遠い昔の記憶となっていることでしょう。




作成日: 2012年8月24・26日

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