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例 大 祭


(2013)

その2



式三番の後、上座の能『白髭』が始まります。
先のページに記した通り、約35年ぶりの上演とのこと。







前シテの翁は渡部千春氏。
笛方さんのお隣のワキツレはご子息の元生氏。
その横のもうお一人のワキツレは釼持貴利氏。







白髭明神の由来を語る末社の神は、
五十嵐重一氏。

こういう内容を聞いていても、
やはり神仏習合が根強く背景にあることが察せられます。







登場人物が多いです(「人」ではない存在も含めて)。

幕が落ちて白髭明神が姿を現し、
天女が舞います。天女は斎藤英介氏。







後シテの白髭明神は渡部千明氏。

多分初めて見る面…「茗荷悪尉」という面でしょうか?

以前から「悪尉」というタイプの面を不思議に思っていました。
「悪」という字がつくので、
なんとなく「善」と対置される「悪」、
「悪者」のイメージを抱いてしまうのですが、
この白髭明神が茗荷悪尉の面をつけているように、
「悪者」の意味はないみたい。

とすると、この「悪」の意味は…?と疑問に思っていたところ、
つい先日、網野善彦氏の本を読んでいたら、
中世の頃の「悪」は、
非日常の、人の力を超えたものをあらわすという記述が。

なるほど、それなら神さま的存在が「悪尉」の面をつけるのも納得。







白髭明神が舞ったあと、今度は龍神が登場。
渡部勇太氏(写真右側)と斎藤啓佐氏。







『白髭』に続いて、上座の狂言『千鳥』。
前回の滞在時に、お話を伺う機会をつくって頂いた
佐藤俊広が太郎冠者。
たまっている酒代を請求する酒屋主人の話し好きに乗じて
どうにか酒樽を持ち逃げしようとします。
酒屋主人は斎藤剛富氏。







狂言でホッと場が和むと、次は下座の『大江山』。
こちらも登場人物の多い番組。
まずはワキの源頼光と、ワキツレの二人。
蛸井栄一氏、成和政俊氏、小林範正氏。







シテの酒呑童子は斎藤平氏。あとで鬼神に化けます。
茨木童子は釼持忍氏。







酒呑童子が酔っ払って舞を舞い、寝所に入ったあと、間狂言。
頼光の下人たちを演じる遠藤一朗氏と小林貢氏。







そして後半。可愛い酒呑童子は鬼神に変身。







しかし、哀れな鬼神は結局頼光たちに討たれてしまいます。







鬼神を退治した頼光たちの三者揃い踏み。
取られた首をあらわす赤頭が、なんだか生々しい…。

…こうして例大祭は終了。

このあと、上座の数名の役者さん方は、
普段着に着替えて市内の飲食店へ。
(…黒川も今は鶴岡市の一部だから「市内」?)







皆さんの服の色が色々で、
ちょっと色が氾濫気味だったのでモノクロにしました。

写真手前の列の一番奥は、渡部千春氏。
今回は急遽前シテを担当することになったとのこと。
そして出番が終わるとすぐに
装束係として奮闘しておられました。

心身ともに大変なご苦労だったことと思います。お疲れ様でした!



遠藤秀隆氏。
「座」と 'the' の駄洒落?には
笑わせてもらいました!
こちらは釼持一行氏の
撮影による
可愛らしい「マチャチ」氏。
大きな渡部Brothers。
お二人とも、舞台、お疲れ様でした!
釼持一行氏と「ケッケ」氏。
ケッケ氏も、舞台、お疲れ様でした!


翌日は、渡部家で苗の様子を見学させてもらったり、
農業のことをあれこれ伺ったりしました。







それから装束係の千春さんに、
装束係の体験談などお話を伺いました。







温室の中で育てられている苗たちと
苗を管理する権作さん。
まだ小さいけれど、今月の半ばを過ぎる頃には
きっと田圃に植えられることでしょう。







「くろ」を整える作業中の千春さんと、
なにやらアドヴァイス?をしている権作さん。

父子の会話。


…5月とは思えない、寒い黒川での例大祭でした。
何度も5月に黒川に行っているけれど、
冬のセーターやマフラーを身につけて行ったのは初めて。

このページを作っている今は、田植えも終了していることと思います。
苗が順調に生育していくことを願っています。





2012年05月21日作成

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