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王祇祭 と その前後

(2011)



その6

(2月1日: 大地踏〜暁の使い)



本日、2011年3月13日。

3月11日にとんでもない地震が起こりました。
東京も激しく揺れ、帰宅難民が多く出ました。

職場で引越し準備をしていた筆者は、
経験したことのないような強い揺れに驚き、
その後も強い余震が何度も続いたので、
「今日が最後の日か」と思いました。

職場にはTVがなかったので
ネットで地震速報を見ていましたが、
その後、TVで映像を見て、
とても現実のこととは思えないような破壊状況に、
直視できない思いでした。

余震も続いているので、まだ安心できませんが、
とにかく宮城県を中心とした地域の方々に、
心からお見舞い申し上げます。







いよいよ祭りの目玉である大地踏が始まる。

当屋での大地踏は遠藤絆くん!



(↑)提灯持ちを先頭に、王祇守に抱えられ、
   王祇様、舞台に登場。

(→)当人が3本の矛の根元をしっかり支え、
   王祇守と提灯持ちが、王祇様を開いて扇の形に。



開かれた王祇様のもとに大地子が立つと…







囃子方の「イヨーッ」という声と共に謡と囃子が始まり、
それに合わせて大地子が大地を踏み始める。




(←)満面の笑み!なぜかとても嬉しそう!
   こんなににこやかな大地踏を見るのは初めて!

(↓)おじいちゃんとお父さんが、あたたかく絆君を
   見守る中、難しい詞章を立派に。




大地子の笑顔につられて当屋全体が笑顔になった、
なんともなごやかな大地踏だった。

…あとでお父さんの秀隆さんに伺ったところによると、
絆くんは、冠子で王祇様のお供をしてきた時には、
これから大地踏をしなければならないのかと思って、
シクシク泣いていたとのこと。

小さい子でも、失敗してはいけないと、
ピリピリしたものを感じるのだろう。
泣きたくもなるよね…


ところが!本番の舞台では一転してこの笑顔!
一体何があったのか?

…舞台の前に、たくさんの人からご祝儀をもらったのだそうだ。

納得!(笑)

おかげで皆が絆くんに幸せな気分を分けてもらった。

絆くん、お疲れ様!立派な大地踏でした!



大地踏が終わると、式三番がはじまる。



(↑)恭しく面箱を所仏則翁の前におく千歳。

(→)千歳は釼持不思議氏。




(↓)「翁」というにはあまりにもお若い釼持英正氏。







「父尉」と呼ばれるタイプのつり目の面を掛けてゆったりと舞う。
後見は、お父上の釼持正氏。
翌日の、神社での式三番では正さんが所仏則翁になる。







(↑)所仏則翁に続き、斎藤俊一氏による三番叟。
当屋の小さな舞台を縦横一杯に使う。








以前にも何度も書いているような気がするが、
筆者は黒川の三番叟が大好き。
こちらの体まで動き出すような、リズムとメロディ。

でも、実際に三番をするのはかなりの肉体労働だと思う。


式三番のあとは、脇能『絵馬』。







(↑)『絵馬』のワキの少年達。
王祇祭は小さい子達の良い修行の場にもなっている。

ワキの勅使は斎藤涼太くん、
ツレの二人は(お顔が見えないけれど)
釼持涼くんと釼持龍星くん。


…おや?地謡の席にいるのは…



当人の松雄さん!

当人の素襖姿に烏帽子を被り、
地頭の席に。

並みの若者以上に
お元気そうな松雄さん。

筆者としては、
舞台に立つお姿を撮影できれば
…と思っていたのだが、
お孫さんが
後シテをつとめる舞台で
地頭をつとめるお姿を
カメラに収めるのも、
良い記念になることだろう。

松雄さんのお隣の御方は、
来年の当屋をなさる
斎藤利雄氏。




(↓)前シテの尉とツレの可愛らしい姥の登場。
前シテは釼持秀章氏、
姥の少年は斎藤史詠くん。

節分の絵馬をかける日、絵馬掛けのいわれを教える。
絵馬には馬の絵。
この二人は実は伊勢の二柱の神であるという。







(↓)間狂言で登場する蓬莱の鬼。
    五十嵐重一氏と五十嵐友樹氏。







このあと後シテの天照大神を演じる
当人のお孫さん・釼持一行氏が登場し、舞を舞うが、
その間筆者はビデオ撮影に集中。

最後の最後まで、
写真をメインにするか、ビデオをメインにするか、
迷いに迷ってビデオをメインにした。

写真は、声や動きの流れは残せないので…。

ご自身のお家の当屋だし、
是非とも一行さんに記念のDVDを差し上げたかった。

だから、写真は残念だけど、少ししかない。







天鈿女命(この写真では見えない)と手力雄命によって、
岩戸から出てくる天照大神を再現する。


天鈿女命(見えない)は秋山愛輝くん、手力雄命は斎藤豊くん。







地頭をつとめる当人が、孫の舞台を見守る。

一行さん、お疲れ様!
王祇守の役だけでも連日あれこれと大変だったのに!
心からの拍手を!



『絵馬』が終わると、脇狂言の『末広』。

味わい深いお顔の太郎冠者、
難波幸一さんの演技が冴える。流血事件をものともせずに!

古傘を「末広」だといって売りつけるのは斎藤秀明氏。




狂言が終わると、中入りといって、出演者が夜食をとる。

(↓)この間、下座から「暁の使い」がやってくる。







暁の使いは口上を述べ、当人をはじめ、上座の面々にご挨拶。

冠を巻いて写真手前・舞台上に座っているのは、
天照大神から王祇守に戻った釼持一行さん。



(↑)下座の使者の御方と共に、
しばし歓談の図。 
(↑)世帯持ちさん、
大活躍。




次のページでは、2番目以降の能・狂言をご紹介。



作成日:2011年3月10−13日

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