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王祇祭 と その前後

(2011)



その5

(2月1日)



2月1日未明、お風呂場の戸が開く音。

ああ、そうか、王祇守役の一行さんがお宮に出かけるんだ…。
朝早くから、というより「夜中」といった方が良さそうな時間に、
大変だなぁ…ほとんど眠っていないはず。

筆者はそんなことを思いながら再びクーと眠りに。

そして数時間後、パッチリと目覚め、公民館へ。







(↑)世帯持ちさんお二人の手を借りて、
当人も頭に冠を巻き、王祇様を迎える準備。

「もうそろそろかのぉ」

…そんな声が聞こえ始めるが、まだ来ない。

そしてついに、

「来た、来た!」

子供たちの「ヤー!」という声と共に、
王祇様がやってくる。

当人が王祇様を迎えに出る。







筆者は今回、
当屋に王祇様が入ってくる様子が見たくて
屋内で待機していたが、
「王祇様が来た!」ということになると
居ても立ってもいられず、
長靴を引っ掛けて公民館を飛び出して撮ったのが、
上の写真。

提灯持ちさんや王祇守さんのアップ写真を撮りたかったけれど、
標準レンズなので近くまで行かないと無理!
でも、こうして広角で見ると、
背景の山も神々しく、全体に青みがかった中で提灯の火が映え、
神秘的で良い感じ。
昨年の「王祇様が来た!」写真もお気に入りだが、
今年のものもお気に入り。


ちなみに、2010年の「王祇様が来た!」写真は…


(←)この写真。

 この時も公民館が
 当屋だったが、
 王祇様は別の方向から
 やってきた。

 きれいな青色。



…2011年に戻る。

当屋の外で2・3枚撮った後、筆者は当屋の中に駆け戻り、
当屋に入ってくる王祇様の撮影準備。







到着した王祇様は、当人に先導され、安置される。
安置される場所まで、特別な筵を敷いて、
当人と王祇様、提灯持ちと王祇守はその上を行く。
世帯持ちの幸男さんが、筵を敷き伸べていく。


(↓)王祇様のお供をしてきた冠子たち。







朝早くから、寒い中、ご苦労様でした!







(↑)子供たちに甘酒や雑煮が振舞われる。







(↑)当人を中心に、提灯持ち(左)と王祇守(右)。

提灯持ちの釼持亘氏は大地子の一人・釼持颯琉くんの父上。
王祇守の釼持一行氏は当人・松雄氏のお孫さん。



(←)こちらは座狩り後の
   振る舞いのお膳の準備。



棚上がりの少年達が宝蔵庫から到着。
屋形を設置する。







だんだんと人が集まり始める。







舞台となる予定の場所から見ると、
筆耕者の三浦さんが書き上げた張り紙がズラリ。







(↑)神職の方々がいらして、王祇様に衣を着せる。

衣着せには結構時間がかかる。

当人、果てているみたい…。

実は松雄さん、1月28日朝、
自宅前の凍りついたスペースで転んで頭を打ち、
富士山並みの巨大たんこぶに出血!

腕の痛みが相当ひどかったらしく、
上の写真のような姿で炬燵に突っ伏したまま、
それでもなかなか病院に行こうとしないので、
皆で説得して病院に置いてきた。

幸い骨折もなく、脳も無事で、
腕の痛みは神経からくるものだとのこと。

そういう痛みって、耐え難くつらいもの。
この時も痛かったんじゃないかな…。







(↑)衣着せが終了すると、祝詞を上げる。







そして座狩り。
一人一人の屋号が読み上げられ、出席している人からは、
「ようございます」の返事。

座狩りが終わると、振る舞い。







振る舞いの席が済むと、一時解散。







(↑)午後から、筆者の小さなアイドルの
最後の練習を見学。

とうとう明日が本番!颯琉くん、頑張れー!!







(↑)こちらは脇当屋(=当人のご自宅)の様子。

既にお馴染みのお客さん、初めて黒川にやって来たお客さん。
色々な人が黒川に引き寄せられてやって来る。


このあと筆者は、世帯持ちさんを探して再び当屋へ。

煎じ場であっくんパパを発見し、
「親族席の柱のあたりで
立って撮影させて頂いてもよろしいでしょうか」とお伺い。

公民館の当屋には、
目付け柱があるはずの位置からちょっと離れたところに柱がある。

この柱を背にして立って撮れば、
きっと良い写真が撮れるだろうとずっと思っていたのだが、
この日、張り紙を見ると、その位置は「親族席」。

しかもそのあたりにはNHKとケーブルTVも。

本当は、ずうずうしいことはしたくない。
でもズッシリ重いニコちゃん+ビデオでの王祇祭撮影は、
あと何度できるか分からない。
舞台に立つ人の一瞬一瞬を、できるだけ良い形で残したい。

そこで、勇気を出して、ダメモトで伺ってみた。

すると、あっくんパパは優しいお顔であっさりと、

「いいよ」。

そして、「親族みたいなものだ」と。

「有難うございます!」とお礼を言って、公民館に。

ほぼ望み通りの位置に割り込ませてもらい、ホッとすると、
あっくんパパの言葉が心に響いた。

嬉しい、有難い言葉。思い出すと泣けてくる。

滞在中、複雑な思いを抱えていただけに、一層嬉しく、有難い。

あっくんパパをはじめとした世帯持ちの方々も、
複雑な思いを抱え、それでも祭りを無事に終えねばならないと、
必死で努力されていたことだろう。








夕闇が迫る中、
舞台の周りの蝋燭に火が点され(点すのはあっくんパパ!)、
とうとう当屋で演能が始まる。



次のページでは、2月1日の大地踏〜下座から暁の使者がやってくるところまでをご紹介。



作成日:2011年2月27日‐3月9日

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