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王祇祭 と その前後

(2011)



その4

(1月30日〜31日)



1月30日、それまで当人の自宅にいた神様が、
2月1日の祭りの会場となる公民館に移動。







(↑)移動を始める嵩義さん。

嵩義さんの足元にあるのは、29日に作った丸餅たち。

29日の夜、炬燵のまわりに集まった人たちは、
神様が家を出て公民館に行ってしまうことについて、
「寂しくなるのぉ」と、口々に。







(↑)こちらは上座の公民館。
若い人たちが化粧棚(…という名だったかな?)を
作っているところ。

神様の移動も終わり、
そうこうするうちに宮司さんがいらして…







不浄払い。

公民館の要所要所と、
煎じ場にも塩をまき、お清めする。







(↑)「切りあえ」の材料を刻む女性陣。

ちょっと話が先走るが、
今年の切りあえは、
いつもよりほんの少し濃い味だった。

いつもよりも美味しく感じたのは筆者だけだろうか?


誰かが切りあえを、「鳥のエサだ」と言っていたのを聞いたが、
筆者は切りあえの素朴な味と食感が、結構好きである。

それに、使われている材料を見ると、
やはりこれも、
陰陽五行の理に従っているのでは、と思ってしまう。
このページの下に登場する「七味の菓子」も同様。








(↑)こちらは男性陣。
「みざらい」と呼ばれるものを作って(編んで)いる。







「みざらい」という名を教えてくれたのは、
はるばる三重県から毎年来ている黒川ファンの御方だが、
黒川でもその名で呼んでいるのかな…?


…こうして、いたるところで多くの人々が、
それぞれの使命を果たすべく祭りの準備をしている。

そして、お宮へ。

30日は、嵩義さん作成のTo Do リストによれば、
3時までにお宮に上り、
関係者の身につけるものの不浄払い、そして酒上げ。








(↑)祝詞をあげる宮司さん。

写真左手にチラリと見える風呂敷包みが、
お祓いを受ける衣類。








酒の肴となる七味の菓子。

串刺しにされた豆腐とゴボウを中心に、
黒豆、昆布、柿、栗、胡桃。

初めて王祇祭に来た年だったか、
初めてお会いした下座の御方がこれら七つのものについて、
それぞれ人体の一部を象徴しているのだと
説明して下さったのがとても印象に残っている。







(↑)当人の松雄さんが、写真右端。

当人はまったく飲めない御方なので、
当人が受ける酒は、
お供で来ている当人の親族が飲むことになる。

裃姿の他のお二人は、昨年の王祇祭から
春日神社の舞台を取り巻く「めぐりの大人衆」に加わっている方々。

上の写真でお酒を受けているのは
狂言方の難波幸一さんだが、
彼はこの時、凍りついた御不浄で転んで頭部を切り、
御不浄は血まみれに。

飲酒して出血するとハデに飛び散るのだとか…。

しかし、そんな流血事件をものともせず、
最後までお飲みになっていた。…強い。







酒比べの最中、棚上がりの練習をする上座の若者達。

手前の御方はラジオ体操をしているのではなく、
おそらく、「こうすればうまくいくんだ」と伝えたいのだが、
なかなか言葉でうまく表現できず、体で表現している。

…というのは筆者の勝手な解釈。







これは、酒比べの最後の場面。
上座と下座の王祇守・提灯持ちが対面して座り、
飲み比べる。

下座の王祇守の飲みっぷりが印象的だった。

…延々と、5時間近く飲み続ける神事が終わり、
当人、無事に自宅にご帰還。







こたつを囲んで団らんのひととき。







神様が公民館に移ったあとの床の間は、
やはり少しもの寂しい。

この日から、公民館の神様のお守りをするために、
公民館に寝泊りする人員も必要となる。

そして、翌31日の早朝。







当人と親族と、
王祇守、提灯持ち、棚上り、七度半の使いなどが集まって、
年取りの行事。







食事は精進食で、豆腐に切りあえ、香の物、
普通のお汁の代わりに、すりつぶした納豆を入れた納豆汁。








食事のあと、当屋使いが当人を前にリハーサルし、
それぞれの担当地区に出かけていく。

…筆者も朝食をご馳走になり、食器を洗い、食器を拭き、
その後、例の大地子の追っかけに向かう。

(←)この日も、「もう飽きた!」といいつつ練習。

 ちょうど練習が終わる頃、
 先ほどリハーサルを済ませた当屋使いが。(↓)




一軒一軒まわって口上を述べるのも大変そう。
しかも雪道を。

基本的に同じ口上の繰り返しだけれど、
訪問する御宅ごとに異なる屋号を間違えるわけにもいかない。

…お疲れ様です。

ここまでが王祇祭前の記録。

2月1日・2日の、たった2日間のお祭りのために、
なされる準備の量の多さと複雑さ。

これを毎年やっているのだから、
黒川って、本当にすごいところだと思う。



次のページでは、2月1日の様子をご紹介。



作成日:2011年2月27日

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