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王 祇 祭

(2010)



その2



このページでは、
2月1日早朝から演能が始まる前までの
祭りの様子をお届けします。





2月1日早朝。
王祇様がもうすぐ神社から当屋に向かう。







上の写真は神社内部。

頭を下げているのは、これから王祇様を当屋にお連れする
上・下両座の王祇守と提灯持ち。
手前においでの御方は、
来年の当屋をつとめる釼持松雄氏。


このあと王祇様は
上記の王祇守、提灯持ち、冠子達に伴われて
神社を降り、当屋にやってくる。

下の写真は、王祇様一行が上座当屋に到着したところ。







今回の上座の当屋当人は、
狂言の師匠さんである五十嵐喜市氏。
王祇様をお出迎えする。







王祇様は無事に当屋に安置され、
(上の写真で、当屋当人さんたちの上に吊られている)、
冠子たちには雑煮餅や甘酒が振舞われる。
早朝の寒い中、
大きな声をあげながら王祇様をお連れしてきた子供たち。
お疲れ様でした!



こちらはお膳作りの様子。
切りあえを、初期の黒川能の庇護者であった
武藤氏の「六目紋」の形にする。


いつも、どうやってこんなにきれいな形にするんだろうと
不思議に思っていたが、
なるほど〜、こんな便利道具が合ったんですね!
誰が考案者・作成者なのか尋ねたが、
この場にいらした方々は、ご存じない様子だった。

この道具がない時は、指で六つの小さな山を作っていたようで、
今回もそのようにして作っている御方もいらした。









…所かわって、こちらは宝蔵庫前。
午後から繰り広げられる徹夜の能・狂言の祭典のために、
大切な道具類が当屋に運ばれていく。







棚上がりの少年たちには、特別な任務。
ご神体である翁の面の面箱と屋形をそれぞれ背負い、
当屋まで歩いて運ぶのである。







手前の少年は、高校生の渡部元生(げんき)くん。
「その1」に登場した渡部勇太くんの弟さんである。







…どのくらいの重さか、ちょっと想像がつかないが、
重そうである。
特に屋形を背負っている少年は、気の毒なくらいである。

時折、お供の御方が背後から屋形を持ち上げて、
少年を助けてあげていたが…(上の写真でも、助けている)。

草鞋履きなので、
雪が積もっていなかったことだけは救いだろう。
重いものを背負って、慣れないものを履いての道のり。







当屋に到着!お疲れ様でした!







しばらくすると、
ぞくぞくと座員が集い始め、神職が来て王祇様に衣を着せ…







座狩り。

読み上げるのは渡辺千春氏。
渡部兄弟のお父上である。

座狩りの後には「当乞い」があるが、
今年はそれに続いて婿養子の座入りの願いが披露された。







座狩りの後の振る舞い。
当人さんの和やかなお顔が印象的。







上の写真は、脇当屋。
今回は「当屋」として公民館を使用し、
「脇当屋」として当人の自宅が使用された。

凍み豆腐に、山椒で味付けした汁を含ませて食べる他、
上にも登場した、コゴミやクルミなどを刻んだ
「切りあえ」などが並んだお膳を頂く。

そして温かい酒。
木の香りもすがすがしく、冷えた体も温まる。



上の「脇当屋」写真左端で
カメラを持つ御方は、
三重県から王祇祭に通い続けて
19年という米山さん。

なんという情熱。

(←)こちらも米山さん。

さすがにいろいろなことをよくご存知で、
先にご紹介した棚上がりの
少年たちによる面箱・屋形運びも、
彼がいなかったら、要領の悪い筆者は
撮影できないままだっただろう。

今回はお世話になり、有難うございました!



こちらは煎じ場の様子。
右の写真で、牛蒡の束を巻くのに
使われているのは藁である。

お隣の建物にもお邪魔すると、
渡部兄弟のおじいちゃんである権作さんと、
バッタリ出会う。
器用に縄を編んでいらした。







スイスイと手が動き、
その手の中からきれいに編まれた縄が生まれていく。

こんな特技をお持ちとは知らなかった!
筆者が尊敬のまなざしで見つめていると、
平然と、「小さい時からやってるんだもの」。

「千春さん(=息子さん)も小さい頃からやってるんですか?」と尋ねると、
「やらねぇ」と笑いながら。

手を見ると、
決して「きれい」とは言えない、無骨な手。
懸命に働いてきた、
何事にも耐えられそうな手である。

当然といえば当然かもしれないが、
東京ではなかなかこういう、
無骨だけれどあたたかい、
「土」を感じる手にはめぐり合わない。

撮影していた筆者に、権作さんは干し柿を下さった。
黒川の干し柿も、見かけは少々無骨者。
でも味は美味しい。
さっぱりした庄内柿の甘みが、
乾燥させることで、ぎゅーッと濃縮・凝縮され、
濃厚な甘みになる。

どうも有難う、下座のお能を見ながら食べます。





次のページでは、下座当屋での演能をご紹介します。



作成日:2010年2月20-21日

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