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王 祇 祭 (2008) より


2月3日‐受当屋にて



2月1日、座狩りに続き、当乞が行われた。

「東西、東西、

めぐりの大人衆、
お聞きなされましょう、

太夫殿、
お聞きなされましょう,

中座、末の若い衆、
お聞きなされましょう、

滝の上村 渡部佐治右ェ門

来る正月三日のお当
申し受けたいとの
お願いでございます」



当乞をするのは
来年の王祇祭で提灯持を担当する御方である。

今年の祭りが始まって間もないこの時点で、
いや、もっと前から、
来年の当屋に向けて動き始めているのである。

2月2日、神社での演能のあと、
一連の神事が続くが、その最後が「布剥ぎ」である。
王祇様から剥いだ布は、
来年の王祇守の首に書き付けられる。







…要領の悪い筆者は、座った位置が悪くて
布を首に巻かれた来年の王祇守を写真におさめることは出来なかったが、
上の写真で、王祇様の布が剥がれているのがお分かりだろうか。

この剥がれた布が、来年の王祇守の首に無事巻かれ、
王祇様は本殿にお戻りになり、今年の王祇祭は終わる。
そして受当屋(来年の当屋を勤める御宅)では、
祝賀行事が繰り広げられる。

2月2日、本当なら神社からそのまま受当屋に
足を運びたかった筆者だが、
寝不足と疲労で、「もうダメだ…」と諦める。
(年々、齢を重ねていることを実感する。)

そこで、翌2月3日、
様々な道具を今年の当屋から来年の当屋に送り渡す行事の見学に。



当屋の片付けを終えて、
2:00少し前に椿出を出発。



受当屋のある滝の上付近まで、トラックで。
上の写真は、移動中のトラックの中。
長い竿を押さえ、少々不自然な格好で…。







滝の上の受当屋を目指して前進。
受当屋の人々に、到着を気付かれてはならないらしい。

なぜか?−その答えはもう少しあとで。







受当屋の御宅をずーっと通り越して、前進し続ける椿出の若者達。
「どこまで行くんだ」と笑って見守る。

…一体どこまで行くのやら、と見守っていると、
一行はくるりと受当屋の方に向きを変え…







受当屋の玄関を目指して走る。

何が起こるのか、全く予備知識のなかった筆者は吃驚。
「突入するつもり?」







…突入したが、
受当屋のほうではもちろん襲来を察知していて、
しっかり椿出からやって来た竿を受け止める。

なるほど、こういうことがあるから、
当屋からの使いが来たことを、
受当屋に知られちゃいけないわけか。

そんな騒ぎもあっという間、
椿出の使者は受当屋に入り、祝言を。






写真右側、一番奥の御方が渡部昇氏。
来年の当屋当人のご子息である。



椿出の若人達による祝言。
厳粛な雰囲気。




昇さんは、以前から、当屋をとても楽しみにしているご様子だった。
きっとこの瞬間も、気持ちの引き締まるような思いと喜びで一杯のことだろう。







祝言が終わると、厳粛な雰囲気から一転、
和やかな雰囲気の酒宴に。
だが、和やかなだけでは終わらない…



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