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祈 年 祭

(2013年)


その1



3月21日、黒川に到着。
まずはお宿に荷物を置いて、太夫さん宅に出発。







まだまだ春は遠い、といった感じの風景。







王祇祭のとき、伝い歩きをするという話だった斗翔くん、
何にも依存することなく、
直立二足歩行が可能となっていました!

4月の終わりがお誕生日ということだったので、まだ1歳前。
スゴイなぁ…。

太夫さんはニコニコのおじいちゃん顔になっています。

筆者のお気に入りの、
王祇祭の「猩々」写真を大きく伸ばしたものをお受け取り頂き、
それからあれこれとお話を伺わせて頂きました。

…お話を伺うと、そこから更に質問がどんどん湧き上がり、
止め処なくなってしまうのが筆者の悪いところ…。

太夫さん、きっとまたあれこれ伺いたいことが出てくると思いますが、
どうか愛想を尽かさないで下さいね…。







夜は公民館でおさらい。







上は前シテが退場した後に入る狂言。

本当は手前でかがんでいらっしゃる五十嵐さんの息子さんが
姫猿の役をやる予定だったそうですが、
学校の都合で出られず、
お父上が可愛らしくピョンピョン跳ねたり
ゴロンゴロン転がったりすることに…。







間狂言が終わると、天人の舞。

筆者が今まで見ていたのとは異なり、
『絵馬』の神楽のように二人が交差する形で面白い。

…それにしても、
この日のさらいで起こった珍妙な怪奇現象は、
一体何だったのでしょう…







今回は黒川内での滞在だったので、
おさらいの後の宴にも、ちょこっと参加させて頂きました。

意図することなく(多分誰も意図はしていないと思うのですが…)
自然に車座になって座り語り合っている様子は、
いつ見ても「いいものだの〜」と思います。

円の中や外れの部分にも人がいて、
完全な円でないところがまた、自然で良いのです。







翌日は、神職の遠藤重嗣さんとのミーティング。
お時間裂いて頂き、有難うございました!

筆者の分析は、
深読みしすぎの部分もあったようですが、
でもまるっきり見当ハズレでもなかったようで、
ちょっとホッとしました。

午後からは、重嗣さんへの感謝と、
王祇祭の折の浅ましい行動へのお詫び、
そしていつも楽しませてもらっていることへの感謝の気持ちを込めて、
神社のお掃除のお手伝い。







王祇祭の折にお世話になった松右衛門さんにも再会、
その奥様もお掃除にいらしていて、
二人で一緒に舞台と楽屋の雑巾がけ。

もうお一人女性がいらしていましたが、
筆者がいなかったら、この広い空間を、たった2人で雑巾がけ!
かなりハードだと思います…。

宮司さんも重嗣さんも、雑巾を持ってあちらこちらお掃除。
舞台の前日に神社に来たことはなかったけれど、
いつも役者さんや観客が気持ちよく神社を使うために、
こんな少人数で、ハードな準備がなされていたのですね…。
頭が下がります。

…お掃除の後、一時帰宅、ではなく帰宿。
そして昼食兼夕食を頂いた後、
狂言役者さんである佐藤俊広氏のお宅へ。

あれこれお話を伺わせて頂き、
そのあと今度は翌日の装束準備のため、宝蔵庫へ。







道成寺の鐘の下、必要なものを出して並べていきます。



てらしたり、
くもらしたり…?

前シテ氏、
入念に面チェック。

明日は可憐な
大柄美女に変身!

…と書きつつ、
はたして「大柄」で
あることと
「可憐」であることは
両立するか?
…と自問。








装束係の渡部千春氏。
お気に入りの面でしょうか?見入っています。

良いものが身近にあるって、幸せなことですね。

この日の夜は、
狂言のおさらいを見学させて頂くことになっていました。

少し時間があったので、一度宿に戻ると…







宿のご主人であり太鼓の師匠さんでもある斎藤篤氏が、
お弟子さんの秋山悟さんにご指導中でした。

人見知りの筆者は、長く黒川に通っている割に、
厳めしい(?)御方にはなかなか話しかけられず、
篤さんとも挨拶程度しか
ことばを交わしたことがありませんでした。

でも、今回の滞在で、ずいぶんお話し、
とても気さくで話し易い(特にアルコールが入った場合)ことが発覚。
そして黒川能を心底愛していらっしゃるんだなー、
…と感じました。

この話は次のページで改めて。

さて、お宿からすぐ近くの、五十嵐候阿弥氏宅へ。
2010年の王祇祭で上座の当屋となったお宅です。







お猿さんの面と共につける頭巾をかぶった
佐藤俊広氏(写真左)と五十嵐重一氏。

「こんなところを撮られてもなあ…」とおっしゃっていましたが、
すみません…
あまりにも可愛かったので撮ってしまいました。








前日も全体のおさらいで、この日も再び。
もしかしたら狂言役者さんの方が練習熱心なのでは…?

手前が猿婿の難波氏、後ろが姫猿の五十嵐氏。

五十嵐氏は再びピョンピョン跳ね、
ゴロンゴロン転がり、
筆者には難なくやっているように見えましたが、
ご本人曰く、きついそうです。







ひととおり終えてもご自分が納得するまで舞い、
その背中を見つめる師匠さん…。

こうして黒川の夜はゆっくり更けていくのでした。



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2013年3月26-27日記す

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