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師走はじめの黒川にて

− 綱ぶち −





2004年7月に初めて黒川に足を踏み入れて以来、
はやくも7年が過ぎたが、
これまで12月に訪れる機会には恵まれなかった。

2012年の王祇祭で用いる綱作りを見学するため、
2011年12月、初めての師走訪問。







上の写真が、2012年の上座当人・斎藤利雄氏と奥方。
利雄さんは斎藤賢一・上座太夫の叔父上。

上の写真ではあまり分からないかもしれないが、
利雄さんは、筆者がお見かけする際、
十中八九、白い頬にうっすらとやさしい薔薇色がさし、
それがとても上品な印象。

初めてお会いした奥様も、やさしそうな、穏やかな語り口。
当屋を経験するのは初めてとのことで、
不安と心配で一杯、でもご伴侶の当屋を楽しみにされているご様子だった。

最近すっかり公民館を当屋として用いる習慣が定着してきたが、
利雄さんはご自宅を当屋とする。







朝8時頃から椿出地区の若者が集まり、綱づくりが始まる。

あまり時間をかけなくてもいいようにと、
利雄さんが随分下ごしらえをしていたようである。

手のひらは皮がむけ、血が滲んでいた。

それでもやはりご自分の当屋が楽しみで楽しみで、
いてもたってもいられない思いなのだろう。

上の写真の黄色い帽子が利雄さん。
背の高い青年は、太夫さんのご子息・英介氏。








太い縄を綯うトリオ。
写真左が利雄さんの息子さん。








作業場の梁に吊るして綯う。
「せーの!」という掛け声の後に、
3人で思い切り左に縒る。

単純な作業のように見えるのだが、
結構な力仕事で、
3人の力のバランスやギュッと綯うタイミングが合わないと
縄がデコボコになる。

思った以上に難しく、奥が深いようである。







上は、細い綱(というか縄)を編む方々。
お若い方でも器用に作っていくのには驚いた。







出来上がった縄を均す(?)英介氏。







「せーの!」、「せーの!」という掛け声がテンポよく響く中、
太い綱はどんどん長くなっていく。

どんどんどんどん長くなっていく。

「すごいなー、一体どのくらい長くするんだろう」
…と思って筆者が見ていると、
作っているご本人達も、ハタと疑問に思ったようで、
「どのくらい長くするんだ?」と尋ねている。

なんと!つくっている人達も、知らずにつくっていたとは!
このおおらかさ・アバウトさがまた黒川らしいというか…
思わず微笑んでしまう。

写真右端の御方は、王祇祭の当屋で所仏則翁となる釼持英正氏。
舞台でのキリッと端正なお顔とはまた違い、
仲間と一緒に良い笑顔。







昼食の風景。







写真右は、2011年に引き続き
2012年も世帯持ちとなられる秋山嵩義氏。
当人とあれこれ打ち合わせ。

あっくんパパ、2年連続で大変でしょうけれど頑張って下さい!




美味しそうな干し柿!
出来上がった細い綱!






出来上がった太い綱も、板を使って均していく。







子供も使って均していく。







出来上がった綱をまとめ、屋内へ。







床の間付近に置かれ、王祇祭を待つのみ!







お疲れ様の宴。
当人の息子さんによるご挨拶。








こうして一歩一歩、着実に王祇祭の準備が進められていく。
この綱ぶちの次の週末には「終寄」があり、
そこで王祇祭の演目がはじめて公にされる。

2011年中にNHKで黒川番組が放送されたこともあって、
王祇祭の申し込みは非常に多かったとのこと。

上座・下座とも、盛大、且つ和やかなお祭りとなりますように!



綱ぶちの前日には、
渡部家の柿の剪定の様子も撮影させて頂いた。




予想通り、いや、それ以上に大変な作業。
毎年頂く柿が、いかに有難いものであるか、身に沁みて感じる。








小さなアイドル達にも会えて、
短いながらも満足の滞在。

2012年の王祇祭が楽しみである。





作成日: 2012年1月3-4日

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