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稲 刈 り



(2010年9月14・15日)





9月半ばから再び始まる日々を前に、
どうしても黒川に行きたくて、行ってきました。
運良く15日、東京に戻る前に、
田植えの時にお世話になった渡部家の
稲刈りの様子を撮影できました。







上の写真は14日の昼過ぎ。
大雨が去って、
青空とドラマチックな雲が、
実りの季節の黒川を照らし出してくれました。







こちらは刈り取り前の田。
今回は、うまく天気に恵まれれば
稲刈りを撮影したいと思っていましたが、
もう一つ、目的が。

8月半ばに亡くなられた
上座の先代の太夫さん、釼持松治氏に
ご挨拶したいと思っていたのです。







まず、橋本でバスを降り、
もう一軒、お花をお届けしたかった御宅にお花を届け、
そのあと、テクテク椿出へ。

上の3枚の写真はその途上で撮影しました。
コスモスが揺れ、空気も湿気を含まず、気持ちがいい!
空も高く見えます。
いきなり秋めいてきたなぁ…と思う筆者。





松治太夫さんと奥さんには、2006年の王祇祭前に
一度だけお会いしたことがあります。
上は、その時撮らせて頂いた懐かしい写真。

その後改めて、
昔の黒川のことやご自身の黒川能に対する思いなど、
いろいろお話を伺いたいと思ったときには
入院中とのことで、
お元気になられるのを願っていました。

…残念です。

おばあちゃん(奥様)が力を落とされていないか、
心配でしたが、
筆者が御宅に伺ったときは外出中で、
ご子息の賢治さんの奥さんが、筆者を中に案内して下さいました。

お花などを置いて、松治さんのご冥福をお祈りしたら
すぐに失礼しようと思っていたのに、
奥様がお仕事中の賢治さんを呼び出して下さり、
一時間半ほどもお邪魔してしまいました。

お父上同様、
賢治さんもお能をこよなく愛されているようでした。
役作りに対する情熱と真摯な姿勢、あふれるアイディア。
一度でもいいから、
舞台に立たれているところを見たかったし、
撮影もさせて頂きたかったなぁ…と思いました。

松治太夫さんも、三度の食事よりもお能がお好きだったと、
以前、伺いました。
お能にはとても厳しかったということも。

きっと今頃、ご病気からも解放されて、
思う存分舞われているのではないかと思います。

筆者は松治太夫さんが当屋をなさった翌年の夏、
初めて黒川にやって来ましたので、
松治太夫さんのお能も、賢治さんのお能も、
拝見する機会がなかったこと、とても残念です。







きれいな雲を見せてくれた一日の終わりは、
きれいな夕焼け。
上の写真ではその美しさが伝え切れず、残念…。








「3時に」とお約束しながら
上の山に到着したのは随分遅くなりました。
上の写真は、お馴染み、渡部家の権作さんとせつさん。

明日はよろしくお願いします!


そして翌日、15日。

有難いことに、お天気も上々!




田の隅は、
機械が入りやすいように
鎌で刈り取ります。

その年初めて稲を刈り取ることを
初刈りというそうです。




朝から素晴らしいお天気に恵まれました。
田植えのときといい、今回の稲刈りといい、ラッキーです!








田植えの時は3世代そろっての作業でしたが、
今回は権作さんとせつさんのみ。







黄金色の稲の中のせつさん。







とにかく小さくて、
その小さなお身体をフルに使って一生懸命。
いとおしいお姿。

上の写真のせつさんは、
なんだか笠をかぶった田圃の妖精みたいです。







田植えのときと同様、手作業が大変。
筆者も手袋・長靴などをお借りして稲を刈りましたが、
粘土質の赤土は、足を吸い込み、離してくれない!

長靴を履いていたのに
筆者のズボンは泥だらけになりました。

…そういえば、この日、新幹線から山手線に乗り換えると、
やけに人の視線を感じましたが、
もしかしたら泥だらけの筆者のズボンが
視線を集めていたのかもしれません…







権作さんの機械の進め方を見ながら、
せつさんは、手で刈る必要のある部分を見極めて
ササッとそちらに移動し、刈り取ります。

長年一緒に仕事をしてくればこその以心伝心、
阿吽の呼吸でしょうか。







刈り取ったものが一杯になると、
上の写真のようにトラックに移し、自宅の蔵まで運びます。







ザーッと勢いよく乾燥機の中に流れ込んでいきます。
右上の写真は、乾燥機の数値を見上げる権作さん。

今年は猛暑のせいで収穫高も少ないし、
実も小さいだろう、と…。

残念…。

でも天候は、人間の思い通りにはいかないもの。
良い年もあれば悪い年もあると、
割り切らなきゃいけないのかな…。

そう理解はしていても、なんだかせつない。
5月の田植えから、こうして収穫の時期を迎えるまで、
農家の人たちは一生懸命田の管理をして、
大事に稲を育て上げる、その行為は毎年変わりないのに…

それに加えて、滞在中にTVのニュースで、
この秋本格デビューの山形発ブランド米「つや姫」も、
山形の美味しいお米「はえぬき」も、
どちらも昨年の価格より
ずっと安い価格に決まったと聞き、
こちらにはせつなさというよりは怒りを感じました。

Fair trade(フェア・トレード)という概念は、
発展途上国の産業保護に対してしか適用されないわけ?
日本のお米と農家を大切にしなくていいの?







…世の理不尽に触れるとますます厭世的になる筆者。

話をもとに戻ます。

上は、お昼ご飯のとき。

今回の滞在では、せつさんが筆者の写真を
何枚も撮ってくれました。
どうやら権作さん以上に写真好きになりそうなせつさんです。







美味しいお昼ご飯、どうもご馳走様でした!

ご飯の後、仕事再開。

そうしてだんだんと筆者が鶴岡駅に向かわなければならない
時間が近づいてきました。

あー、東京に戻るの、イヤだなぁ…







最後に、権作さんの雄姿をパチリ!カッコイイです!

今回も、お世話になりました!

せつさんが運転して下さる車で、鶴岡駅へ。

いつもの通り、お別れを言うのがつらいのですが、
またお会いするのを楽しみにしています。
それまで、どうかどうか、お元気で!


…このページを作成している9月16日、
東京でも大雨でしたが、庄内でも再び雨とのこと。
大雨の合間の晴天に恵まれたことに感謝!





作成日: 2010年09月16日

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